お花畑尿。立ちションから花を育てる公衆トイレが登場(フランス・パリ) – KARAPAIA

世界各地で問題となっている、酔っぱらっておしっこをまき散らす者たち。野良立ちションは悪臭を発生させるだけでなく、公共のインフラを壊している。その掃除や修繕には、莫大な労力とコストがかかり自治体は頭を抱えている。

オランダ、アムステルダムには、使用するときだけ地面から出てくる格納式のトイレが備えてある。アメリカ、サンフランシスコの歩道の壁には、立ちションすると自分にばっちりおつりがはね返ってくる特殊塗装が施してある。

一方、フランス、パリではこんな方法でその問題に対処した。

パリに革新的な最新便器Uritrottoirが登場した。あえて訳すと»歩道便器»。Faltaziという工業デザインスタジオ会社が制作したものだ。

これはボックスをふたつ重ねた2層構造になっていて、赤いボックスが排尿する便器で、その上に肥沃なコンポスト(堆肥)に根を張った花が植えられている。郵便受けのような小さな入り口から、下のボックスに入っている藁(わら)の上におしっこが落ちる仕組みになっている。

尿の収納量が違うさまざまなボックスがあります」と言うのは、設計者のローレン・レボー。CATというある持続可能な建築学校で、男性たちが干し草の上に排尿しているのを見たのが、このトイレ発案のきっかけとなったという。

尿に含まれる窒素が干し草の炭素と結合して、栄養分豊富な肥料になり、しかもにおいも抑えられるというのだ。

もちろん、藁の上に排尿すると跳ね返りがある。しかも、まるで仇のようにこれでもかと跳ね返ってくることがある。

だから、レボーたちは最初の経験から、この藁便器を開発するにあたって、特殊な四面の便器を考案し、フェスティバルやスポーツイベント、キャンプ場などに売り込んだ。

その後、パリでこの便器に文字通り花を添える試みに取り組んでいる。パリの通りで夜、まき散らされるおしっこの臭い対策にもなる。ここまでこぎつけるのに2年の試行錯誤を繰り返したという。

この新しい便器はパリのリヨン駅(国有)で採用されている。ニューヨークタイムズによると、一式9730ドル(約110万円)だという。

ふたつのボックスにはそれぞれ、インターネットにつながったセンサーが備えられていて、たまった尿の量がわかるようになっている。

藁の取り換え時がくると、係員が派遣されて回収し、町の郊外にある堆肥施設に運び込まれる。理論的には、この堆肥はのちにボックスの上に植える花の肥料として使われる。

都市のトイレ衛生の問題は実に深刻だ。誰も公共のスペースを排尿の場として使う屈辱を経験したくないが、多くはいい選択肢がないのが現状だ。ニューヨークをとってみても、市の公園には600の公衆トイレがあるが、みんな午後8時には閉まってしまう。

これは小さなデータだが、とても大きな問題を暗示している。国連の調査では、世界の25億人が、衛生的なトイレがない状態だという。そのうち7億人は都市部に住んでいるのにだ。

ある意味、レボーの都市トイレはローテクを使ったおもしろい解決法だ。しかも彼に言わせれば、環境に優しい。二酸化炭素の影響も通常の公衆トイレの3分の1だという。

さらに大きな利点は、下水設備工事がいらないことだ。

「伝染病が発生する場所は、たいてい下水設備網が設置できない場所です」ネズミなど病気を媒介する生物は、必ずさまざまな生き物の排泄物に惹きつけられる事実を言っているのだ。「下水管のいらないドライトイレは、どこにでも設置できる利点があり、柔軟に取りつけができます」

パリがUritrottoirを試験的に採用している一方で、レボーはこれの女性用のものを開発中だ。ドアのついた個室が必要なことはまあ想像がつくだろう。

「とりあえず、ピス・アップ(大宴会)を使ってもらったらどうでしょう」女性が立ったまま排尿できる漏斗のことだ。なんとも言い得て妙な言葉だろう。

KONOHAZUKU

Posted on 2 mars 2017 in Japon, Presse

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